終活・エンディングノート

終活・エンディングノート

 

終活の目的


高齢大国となった日本では、
終活という言葉を使うことが多くなってきました。

終活とは、
人生の終わりに向けて、
様々な準備をすることになります。

自分がいつ死ぬのかは誰にもわかりませんし、
死はいきなりやってくるものです。
ただし、年を重ねれば重ねるほど死に近づくのは確実です。
例えば30代の方が40代になったとしても死に近づくという実感はないですが、
70代の方が80代に、または80代 の方が90代になったら、死が少しずつ近づいてきていると実感するのではないかと思います。

そして、その人生の終わ りに向けて、
身の回りの整理や、自分の死後に家族が困らないように行う活動を終活と呼ぶのです。
死んだらそれで終わりだと考える方も多いですが、
例えば様々な遺産を持っている方がなくなった場合、
残された家族が 相続争いをする可能性が高くなります。

あんなに仲の良かった兄弟が、
自分の死がきっかけで離ればなれになってしまう 、
こんなに悲しいことはありません。
生前に何か対処をしておけば、相続税を減らすことができたかもしれません。
また、遺書をしっかりと書いておけば、遺 族が喧嘩をすることもなかったのではないでしょうか?
しかしすでに故人となった状態では、そんなことを言っても始ま りません。
遺族にとって、故人が残した遺品はどれも大切にしたいものばかりです。

大切な方が愛用していた遺品は、家族や親族に はかけがえのないものだといえるのではないでしょうか?
ただし、故人の生活用品のすべてを保管していてはいずれ邪魔 になってしまいますし、
中には遺族でもどうしたらいいのかわからないようなものもあるのではないかと思います。
自分の家族を困らせたくない、自分の家族のために何かをしておいてあげたい、という願いから、
人生に幕を閉じる前に 様々な準備をすることを終活というのです。

そして、高齢社会となった日本では、現在終活を盛んに行う方々で増えてき ています。

エンディングノートや相続税対策、といったタイトルの本を書店でよく見かけますし
、終活カウンセラーという職業まで 出てきています。専門家にすべてをお願いするのもよいかと思いますが、
まずはご自身のできるところから始めて行って みてはいかがでしょうか?
終活は、決して死ぬ前の後ろ向きな準備ではありません。家族のためを思って行う、前向きな準備になります。
また、終 活をゆっくりと行うことで気持ちや身の回りがすっきりとしますので、
老後をより楽しく過ごすことができるようになります。まずは身の回りを確認し、
ゆっくりと終活を始めていってみてはいかがでしょうか?

終活のタイミング


終活をしたいけどいつ始めればよいのかわからない、という方はたくさんいらっしゃるのではないかと思います。
実際に 、終活をしたいと思っていてなかなかタイミングをつかめないという方は多いようです。

それでは、終活はどのタイミン グで始めるのが良いのでしょうか?

もちろん個人の生活には違いがありますので一概にいうことはできませんが、
最も良いとされているのが定年退職後のタ イミングになります。
早めにリタイアしたとい方もいらっしゃれば、定年がない職に就かれている方もいらっしゃると思 います。
そういった方々も、60歳や65歳などの区切りの良い時期に始めるのが良いのではないかと思います。

それでは、定年退職を迎えてから終活を始めるのがなぜよいのでしょうか?

それは、時間的に大きな余裕ができるからで す。終活と一言で言っても、やることはたくさんあります。
特に自分の身の回りの整理は、単なる引っ越しなどとは全く 違います。
これからも使うものや家族のために残したいものと使うことがないものをはっきりと分け処分しなければなり ません。

また、葬儀やお墓などの準備も終活に含まれますが、
そのような知識がまったくないという方がほとんどなのではないで しょうか?

ご両親の葬儀などの準備をした、という経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょうが、
一生に何度もあること ではないので覚えていないことの方が多いのです。

葬儀やお墓の業者選びも慎重に行わなければなりませんし、信用でき る業者を探すのはなかなか難しいことです。
このように、何かとすることの多い終活ですので、働きながら行うのはかなり大変だと思います。
フルタイムの仕事をず っと続けていてそれがいきなり生活からなくなったら、毎日が退屈だと感じる方もいらっしゃると思います。

定年後、し ばらくゆっくりしてから終活に取り掛かるようにしましょう。
また、夫婦で終活を行うことによって、夫婦の仲が一気に深まるケースも少なくありません。

旦那さんが外で仕事、奥さ んが自宅で家事、という生活を送っている夫婦はたくさんあります。
しかし定年後は旦那さんのやることがなくなるので 、家でゴロゴロしたりと、暇な時間を持て余すことになります。
奥さんは今まで通り家事を行うケースが多いのですが、 その2人の間にあまり会話がないため、
熟年離婚の原因になることも少なくありません。 終活の一環としてエンディングノートなどを一緒に書いていれば、
今後の2人の生活のことも話し合うようになったり昔 の思い出を語り合ったりと、夫婦の仲が良くなることが多いようです。
もちろん今まで仲の良かった夫婦も、終活をきっ かけにしてさらに仲が深まります。
家族のためだけではなく自分たちのためにも、定年後に終活を始めてみるとよいでし ょう。